「被災地の子どもたちへクリスマスカードを届けよう!」プロジェクトより感謝状が届いています。

昨年ご案内させていただいた、被災地支援カード活動。その代表の田中様より、感謝状をいただきました。シェアいたします。
皆様、ご協力ありがとうございました。
日本人会

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    6年間の被災地支援カード活動の報告と感謝の言葉

ストックホルム日本人会の関係者の皆様へ        2017年4月吉日
「被災地の子どもたちへクリスマスカードを届けよう!」プロジェクト

美しい桜の花びらの舞う暖かい春が巡ってきました。プロジェクト代表、中央大学名誉教授田中拓男です。被災地の子供たちに温かい心のこもったクリスマスカードを送っていただき、誠にありがとうございました。心より御礼を申し上げます。大震災の発生した2011年末頃から、海外日本人会の皆様にご協力をいただいたお陰様で、クリスマスカード活動が国境を越えて広く世界70カ国にまで広がったこと、皆様のお導きの賜物と深く感謝しています。当時大混乱の被災地現場におけるカード配布作業で、多くの海外関係者からの貴重なご支援について正確な活動記録を残すことができなかったこと、お詫び申し上げます。
今、大震災の年から6年間にわたるカード活動の完了にあたり、この間のプロジェクト活動の内容を総括し、ご協力いただいた皆様に活動成果の報告と感謝の言葉をお届けしています。

2011年春に小学校に新たに入学してきた被災地の子供たちも大きく成長されて、この3月に無事小学校を卒業することができました。甚大な被害を受けた被災地の復興に向け、大変な時期の6年間だったと思いますが、私たちもこの間、在校中の子供たちに寄り添い温かい励ましの言葉をかけてきました。特に海外からの温かく力強い支えがなければ、当プロジェクトの支援活動をここまで長く継続させることはできなかったと思っています。海外からのカードは、クリスマスカード活動を支える基幹的な存在であり、国境を越えて被災地の人々と心と心とをつないで、被災地の人々を励まし勇気付けていただきました。
被災地の小学校からも、子供たちの集合写真などに添えて、「たちがカードを手に非常に喜んでいます」、「家族の者も非常に感謝しています」、「今も忘れられずに励ましのメッセージを送っていただいて、明日への希望に向かって大きな力と勇気をもらいました」、などなど、とても心のこもった礼状を数多く受け取りました。「特に遠く離れた海外の人々が、今も私たちのことを忘れずに美しいカードを送ってきてくれる、本当に嬉しく、ありがたいこと」、などと、海外の皆様へ心からの感謝の言葉が綴られています。

6年間のクリスマスカード活動は、国内外の多くの個人・家族や、500にも達する国内外の多様な組織・団体に支えられてきました。
6年間で被災地の子供たちに配布したカードは、総数で約13万枚にも達します。6年目の2016年度も、約2万枚のカードを子供たちに届けることができました。カードを配布した小学校の数は、岩手県、宮城県、福島県で累計900校(年々140〜170校)、津波被害の大きかった沿岸部立地の小学校児童ほぼ全員に毎年カードを届けてきました。また、水害被害の大きかった茨城の常総市や、熊本地震の被災地益城町などの小学校にも、限られた数ですが、震災見舞いの励ましのカードを届けました。

カード展示会は、毎年恒例のように福島市児童館「こむこむ」や、仙台市内の複数会場などで実施し、訪れた多くの被災者の方々に大変喜んでいただいてきました。本年3月には、6年間のカード活動の最終的な総括として、4千人もの多大な震災犠牲者を出した石巻市で、3月4〜11日の8日間にわたって、「七回忌追悼カード展;〜被災地へ、世界から励ましのメッセージ!」を開催しました。海外からの美しいカードは、これまで展示会用に別に保存していたものを含めて、「アメリカ」、「欧州」、「アジア」、「中南米」など、世界の地域別ボードにそれぞれ数多く展示しました。多くの被災者が、展示会場を回りながらカードを熱心に読まれていました。
3.11の大震災記念日には、ほぼすべての宗派にわたる総本山・大本山のご住職揮毫による力つよいお言葉(漢字)の「額」55枚をぐるりと掲示した厳かな展示会場で、地元の人々とともに1万8千人の震災犠牲者へ追悼の祈りを捧げました。特に大震災で尊い命を落とした多くの子供たちへの哀悼の想いが強く、会場に設置された舞台で同じ年頃の地元の子供たちが追悼の合唱を歌ってくれたのですが、聴いていると再びあの日の悲しみが蘇ってきて、涙する人が多く見られました。

展示会場では、連日多くの被災者のお話を伺う機会がありました。今もなお沈黙を保ってきた被災者の心の中には、あの時の辛い悲しい後悔の思いが深く沈殿しているのを感じました。「毎日ここに来て、あの時を思い出しては涙を流しています。みなさんからの応援が本当にありがたいです」と話してくれる年配のご婦人もいました。「今まで誰にも言えなかったことだけど、こうして温かい言葉をかけていただくと、ついつい他所の人には心の中のことを話したくなる」と、あれからの辛かったこと、じっと我慢してきたこと、今も心深く悔やんでいることなど、私たちにぽつりぽつり、いろいろな話をしてくれる方々も、かなりの数で見受けられました。
3.11には、朝早く、震災当時の女川町長が礼服姿で真剣にカードを読まれており、「この辺にはまだまだ心の深い傷が癒えずにプラプラしている人が多い。このように遠い海外などからの温かい励ましの言葉は本当にありがたい」と、カード展示会への感謝の言葉をいただきました。災害の甚大な被災地に立つと、まだまだ災害のことを忘れ去ることなく、被災者に優しく寄り添い、その「沈黙」の言葉に耳を傾けていかなければならないと思いました。

6年間の活動に関する詳細な資料は、添付したファイルに整理されています。
「VIPカード」に関しては、ダライ・ラマ法王、ヴァチカン神父、日本基督教教団はじめとして多様な宗教関係者、特にすべての宗派にまたがる総本山・大本山等の35寺院の住職(57枚の色紙)、さらに、海外12カ国駐在の日本国大使・領事、18人の駐日外国大使、その他3ヵ国の駐日大使館関係者、22都府県知事、6市長、51大学学長(理事長)、さらに11社の企業幹部(社長・常務)と44社のCSR関係者などから、温かいご協力が得られました。
「海外カード」に関しては、世界70カ国にわたる数多くの個人や家族に加えて、20の海外日本人会と、80の日本人学校・日本語補習校等が、毎年東北被災地の子供たちのことを案じ、温かい心で綴られたメッセージカードを送ってくれました。

私たちの活動は、これで一応第一段階を完了しますが、引き続き熊本を含め被災地の子供たちに何らかの形で励ましのカードを送り続けようと考えています。次回は、福島市児童館「こむこむ」で「頑張ろう、福島!」のカード展示会を開催する予定です。
2020年には東京オリンピックがあり、世界から多くのお客さんをお迎えすることになります。6年間のクリスマスカード活動で培ってきた、被災地の子供たちに対する温かい思いやりの心は、海外からお客さんを迎えおもてなしをする際にも、日本人のもっとも基本的な心構えになると思います。国境を越えた「おもてなし」の気持ちは、オリンピックを契機にして、海外の人々に日本人のすぐれた優しい心根として迎え入れられ、それを通じてその心の大切さがさらに広く世界に広がっていけば、東京オリンピックの「心のレガシー」になるものと期待しています。その意味で、これからも海外の皆様と一緒に、被災地の子供の心を励ますクリスマスカード活動を今後も継続していきたいと強く願っています。
また、大震災の貴重な教訓をいつまでも忘れることなく、これから防災減災活動に有効に具体的に生かしていくためには、これまで被災地の人々との間で築いてきた「心の絆の糸」をさらにより太いものにしていくことが重要と考えています。そのためにもまだ苦しんでいる被災地の人々に優しく寄り添い、被災地域の復興に強い関心を持ち続けることが不可欠と考えています。

< 被災地の学校数と枚数、2016年度活動実績 >.docx (79KB)
6年間の総括 主要な名前.docx (89KB)
6年間の総括.docx (78KB)
総括 海外の学校.docx (96KB)
総本山大本山からの色紙.docx (24KB)

終わりになりましたが、今まで寄せられた温かいご支援に心から感謝しながら、貴日本人会のご発展と、皆様のご健勝をお祈りしております。ありがとうございました。感謝!
プロジェクト代表 中央大学名誉教授   田中 拓男
スタッフ                田中 絵里子

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