Dag: 11 december 2015

  • 年末年始に海外に渡航・滞在の際の安全対策のお知らせ

    【概要】 1 テロ対策〜先進国でも海外安全情報のチェックを〜 ●11月13日,フランスのパリ及び同近郊で,多数が死傷する同時多発テロ事件が発生し,イスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)が犯行声明を発出しました。フランスでは緊急事態を宣言するなど警戒態勢が敷かれ,他の欧米各国もテロへの警戒を高めています。 ●その後,米国カリフォルニア州における銃撃テロ事件が発生するなど,中東・北アフリカのみならず,先進国においてもイスラム過激派組織によるテロやこれらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しています。日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれがあります。 ●海外に渡航・滞在される方は,旅行計画の段階から渡航・滞在国に発出されている海外安全情報をよく確認し,自らの安全確保に努めてください。特にクリスマス,年末年始には多数のイベント等が開催されますが,テロの標的となりやすい場所(デパートや市場等不特定多数が集まる場所,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設,公共交通機関,観光施設等)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払ってください。 ●緊急時の連絡先として,海外に渡航される方は外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録を,3か月以上滞在される方は在留届の提出をお願いします。 2 感染症に関する安全対策 ●海外渡航では,感染症にも注意が必要です。特に中東では,中東呼吸器症候群(MERS)が流行しており,同地域に渡航する際は,ウイルスの保有宿主とされるラクダへの接触を避けるなど,感染予防に努めてください。 ●食べ物や水を介した消化器系の感染症(A型肝炎,E型肝炎,コレラ,赤痢,腸チフスなど)や動物や蚊などを媒介とした感染症(デング熱,チクングニア熱など)が流行している地域も多く,注意が必要です。事前に予防接種等を心がけるとともに,帰国時には適切に検疫を受けるようにしてください。 3 その他一般的な安全対策(麻薬犯罪等) ●一般に海外の治安は日本と比較して必ずしも良いとは言えず,盗難等各種犯罪や性的暴行等,何らかのトラブルに巻き込まれる可能性がありますので十分注意してください。 ●特に,多くの国や地域では,麻薬等違法薬物犯罪に関する取り締まりが強化されており,罰則等も非常に厳しく,場合によっては外国人にも死刑や終身刑等の重刑が科されますので,絶対に関わらないようにしてください。 ●海外滞在中はパスポートの管理に気を配るとともに,万が一に備え,十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。 ●万が一事件・事故等に遭遇した場合には,現地警察等の指示どおりに行動するほか,最寄りの日本国大使館・総領事館等にも報告してください。更に,渡航・滞在中の日程・連絡先は必ず本邦の家族等に残しておくとともに,連絡を絶やさないでください。 ■ 外務省海外安全ホームページ(※各国の詳細・最新の安全情報はこちらをご覧ください。) http://www.anzen.mofa.go.jp/ http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版) ■ 外務省海外旅行登録「たびレジ」(3か月未満の渡航の方) https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/# ■ 在留届(3か月以上滞在される方) http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html ■ スマートフォン用 海外安全アプリ http://www.anzen.mofa.go.jp/c_info/oshirase_kaian_app.html ■ 問い合わせ窓口 ○外務省領事サービスセンター 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903 (外務省関係課室連絡先) ○外務省領事局政策課(海外医療情報関連) 電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367 ○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐,海外医療情報関連を除く) 電話:(代表)03-3580-3311(内線)5144 ○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連) 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3678 【本文】 1 テロ対策〜先進国でも海外安全情報のチェックを〜 (1)パリにおける同時多発テロ事件 11月13日夜(現地時間),フランスの首都パリ10区及び11区並びに同北部近郊の国立競技場において,銃撃による同時多発テロ事件が発生し,仏政府の発表によれば,130人が死亡し,多数が負傷しました。 フランスにおいては,緊急事態が宣言されるとともに,国境管理が強化され,引き続き厳重な警戒体制がとられています。また,ベルギーやスウェーデン等においてはテロに対する警戒度が高められたほか,他の欧米各国もテロへの警戒を高めています。 本事件については,フランス政府は,イスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)により実行されたとしており,一方,ISILは犯行声明を発出しています。 (2)米国西部における銃撃事件等 12月2日,米国西部カリフォルニア州サンバーナディーノ市において銃撃事件が発生し,14人が死亡し,21人が負傷しました。本事件については,現地当局がテロ事件として捜査中ですが,犯人らと過激派とのつながりなどが判明したと報じられています。また,12月5日夜,英国ロンドン東部の地下鉄駅構内において,乗客がナイフで切りつけられ,2人が負傷しました。現地当局は,男を逮捕し,本事件をテロ事件として捜査しています。 (3)ISILによるテロの脅威 2014年9月,ISILは,米国をはじめとする対ISIL連合によるISILへの攻撃を批判するとともに,欧米を含む世界の(スンニ派)イスラム教徒に対して,米国,フランス,オーストラリア,カナダをはじめとする対ISIL連合諸国の国民を軍人,民間人問わず攻撃するよう扇動する声明を発出しており,その後,ISILによるとみられるテロ事件が多数発生しています。 また,ISILは,本年1月から2月にかけて,シリアにおいて,日本人男性2人を殺害したとみられる動画を発出したほか,本年9月には,ISIL機関誌において,ボスニア,マレーシア及びインドネシアの日本の外交使節(大使館等)を攻撃対象の候補として言及したことがあります。 (4)その他の脅威 さらに,ISIL以外にも,イスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けているとみられる者によるテロや誘拐等が世界各地で発生しており,一匹狼(ローンウルフ)型のテロも発生しています。3月のチュニジアにおける銃撃テロ事件,8月のバンコクにおける爆発事案,10月のバングラデシュにおける邦人殺害事件等では日本人も被害者となりました。今後,中東・アフリカ地域以外でも,同様の事件が発生する可能性は否定できないことから,注意が必要です。(3月26日付スポット情報「チュニジア:国立博物館における銃撃テロ事件の発生に伴う注意喚起(更新)」,8月19日付スポット情報「タイ:バンコクにおける爆発事案の発生に伴う注意喚起(更新)」,10月4日付広域情報「バングラデシュにおける邦人殺害事件の発生に伴う注意喚起」参照) (5)テロ等に関する安全対策 ア つきましては,海外に渡航・滞在される方は,上記のような情勢に十分留意し,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることのないよう,外務省が発出する海外安全情報及び報道等により,最新の治安情勢等の関連情報の入手に努めるとともに,日頃から危機管理意識を持つよう努めてください。特にテロの標的となりやすい場所(デパートや市場等不特定多数が集まる場所,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設,公共交通機関,観光施設等)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払ってください。 イ また,海外渡航前には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。 海外渡航や在留の際に,緊急事態が発生した場合,外務省からは随時情報を提供いたします。上記のパリにおける同時多発テロ事件のほか,バンコクにおける爆発事案やバングラデシュにおける邦人殺害事件等,緊急事態の発生に際しては,「たびレジ」や在留届等であらかじめメールアドレスを登録いただいた方には,一斉メールにより,情勢と注意事項をお伝えしています。 海外旅行や出張などの際には,海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう,「たびレジ」に登録してください。 (https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/#) また,3か月以上海外に滞在する方は,必ず在留届を提出してください。…