最近地球規模で新たな健康上の脅威となっているエボラ出血熱について、カロリンスカ研究所名誉教授でスウェーデンを代表する感染症専門医であるSven Britton博士に貴重なご講演セミナーをしていただきました。悪天候で月曜日の夕方にもかかわらず、メルボリアプラッツェンのSENSUS401号の会場に約25人が集まりました。
話題の感染症エボラ熱に対する関心の高さを伺わせました。勉強会では、最初に基本的な感染症の基本講義が行われ、おおまかに医学的な感染症の体系マラリア、HIV他を学んだ後に、非常にわかりやすくエボラ熱の講義が行われました。HIVに感染した患者は、免疫ができないので治療で治癒しても、また感染するということを初めて知りました。
ジャーナリズムにあおられず、医学的にきちんとした知識を持ち、病気を知ることの大切さを学びました。また、エボラ熱のワクチン開発も急速に研究され、近いうちにできる可能性などが説明されました。また、重篤な状態を作り出さないなど、先進国には
救命策があるのに、アフリカの僻地では医療設備などが十分でなく、治療が限られ、重篤化し死にいたるなどの説明がされました。エボラ熱のタイプには、国によってそれぞれタイプが違うことなど、現地での治療方法が限られているなど、先進国と発展途上国の医療状況の差が、浮き彫りにされる印象を持ちました。
会場からは、参加者からそれぞれ多くの質問が出され大変活発に、質問と回答と意見交換がされました。
勉強会後、日本人会の役員が用意しました手つくりのお菓子、ニューオーリンズスタイルのベニエCAFE DU MONDEやスパイスケーキやカルダモンブレッドがコーヒーや紅茶とともに供され、フィカをしながら、ミングルの時間に意見交換や交流をしました。疑問に思っていたことを勉強会内で質問し、先生よりご回答をいただき、またジャーナリズムに振り回されることなく、専門家より正しい知識を得た満足感や手ごたえが感じられました。勉強会にご来場されましたみなさま、ご参加ありがとうございました。
カロリンスカ研究所名誉教授
Sven Britton 博士
マラリア、らい病やエイズなど感染症の治療および研究が専門。80年代よりストックホルム市内の歴史あるロスラグスツール感染症専門病院にてエイズ治療と研究に携わる。スウェーデンを代表する感染症専門医。